永遠のプロトタイプ(試作品)

普通に生活している場合は、冬彦さんとカッサンは、仲の良い夫婦でしたよ。
過去形(笑)

魔の4月以来、私の気持ちは枯れました。
冬彦さんの気持ちは分かりません。
私が傷心で小言を言わなくなってから、冬彦さんの笑顔は増えました。
冬彦さんの笑顔を見るたびに、私の心には虚しさが。

なので、過去形です。
これから、どうなるんでしょうね…。

さて、回顧録、続きです。

危機感を持ったカッサンは、定期的に、現状把握と目標の確認を行うようになりました。

例によって、冬彦さんに具体案はありません。
でも、ある日、もっともらしい事を言いました。

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「アイデアをちょうだい。」

当時は、
「そんなものなのかなぁ?」
と思ってしまいましたが、今考えると、
「じゃ、何がしたくてフリーになったの?」
となってしまいますが、冬彦さんにしては珍しく、その場を凌ぐ為の”オリジナル言い訳”を、絞り出したのです。

って、悪意が漏れてる(‘◇’)ゞ

まぁ、同じことの繰り返しになりますが、フォローすると、冬彦さんに、悪気は全くありません。

本気なのか、言い訳なのかはさておき、冬彦さんが述べたのは

「(自分は)コンピューターに精通していて、使うのが当たり前だから、普通の人たちが、コンピューターでどんな事がしたいのか、想像もつかない。」
と言うことでした。

ビミョーですが、当時の私は信じました。
原因不明よりも、うまくいかない理由がはっきりした方が、断然希望が持てます。

冬彦さんが停滞している原因がやっと分かり、私のすべきことが見えました。
やっとスタートラインに立てた感じがしたのです。

冬彦さんの要望は、作るべきもののアイデアを、私に出せと言う事でした。
私がアイデアを出し、冬彦さんが形にする。

どうやって世に出し、収入にしていくかの問題もあるし、私の責任は重大ですが、これがうまくいけば、最高です。
私が家庭に入っても、家計を支えるお手伝いが出来るのです。

それまで培ってきた物も、活用できます。
※カッサンは、働きたくないわけではない。

では遠慮なく、思いつけばその都度、提案します。
冬彦さんの反応は…。

いつも、決まって
「うーーーん(イマイチ)。」
なのです。
何かしら、ケチが付きます。

私のアイデア、調査したら既に同じような物が存在したり、数年後に世に出てきたりしました。
…という事は、まぁまぁの目の付け所だったんですよね。

でも、冬彦さんは、いつでもため息です。

さぁ、自社製品だ!

記念日やデートでは、いつもの神戸のお店に食事に行っていました。
私の友達の友達がオーナーシェフで、テレビにもちょいちょい出演されています。

ある日、食事終わりで、シェフに『レストラン予約&顧客管理システム』の作成に協力してほしいとお願いしました。(もちろん、カッサンが)

こちらのアイデアと、現場の声を元にシステムを作りたい。
システムを作るにあたっては無料。でも、店舗に設置する端末は、用意して欲しい。

と提案しました。
シェフは、私のアイデアを聞いて、快諾してくれました。
シェフ自身も、スタッフの経験の差を補うようなシステムで、負担軽減とサービスの向上を考えていたのです。

もちろん、事前に、
「こんなのどうだろう?〇〇さん(=シェフ)に協力してもらって、作らせてもらおうよ。良いシステム作って、口コミで顧客を増やしていこうよ。」
と、冬彦さんには話しました。

例によって、あまり乗り気ではなかったけれど、反対するにも、代替案があるわけでもないので、半信半疑でOKと言う感じでした。

なので、冬彦さんは、シェフの快諾には驚いていました。
私のアイデアに、そこまでの価値があるとは思わなかったようです。

後々の販売に関しても協力すると、シェフから言っていただき、やっと、スタートラインに立てました。
しかも、世に出す為のラインも、確保できるかもしれません。

夢は膨らむばかりです。

お膳立てしましたよ。まい進あるのみ!

冬彦さんが苦手とするところの、取っ掛かりがやっとできました。
あとは、進むのみ。

収入減への不安がなくなれば、新婚旅行・子作り・専業主婦の道へまっしぐらだぁ~。
ってなもんです!

ってなもんです。ってなもんですよね?流れでは。

お互い、メインの仕事は持っていました。
レストランのシステムに専従しているわけではないので、サクサクは進まないのは当たり前ですが、本当に進まない。
何せ、指示待ちですから。

システムのイメージを理解してもらう為に、画面を作成してシェフにプレゼン。
感触は上々でした。

それから、簡易的に動くプロトタイプを作成し、シェフからお褒めをいただきました。
その都度、機能を追加したり、要望を形にしていき、(デザインはイマイチだけど)まぁまぁのものが出来上がりつつありました。

シェフからも、作成中のシステムに興味を持ってくれている人が結構いる、と聞かされることもしばしば。
打てば響くスピードで仕事をこなすシェフは、
「いつでも、協力するよ。いつ売り出すの?」
と、前のめりに親身になってくれます。

でも、冬彦さんは、あくまで受け身。
私はハード面は弱いので、そっち方面は冬彦さんに丸投げしていましたが、本当に指示した部分しか動かない。

自分のシステムとして、売り出したくはないのだろうか。
男なのに、一旗揚げたくはないのだろうか…。

チャンスが目の前に転がっているのに、相変わらず受け身の、冬彦さん。
歯がゆいったらありゃしない。

永遠のプロトタイプ(試作品)

私は徐々に、開発からフェードアウトしていきました。
(新婚旅行→妊活・妊娠→出産で、専業主婦に…詳細は、また後日)

すべき事は確定しているので、冬彦さんに丸投げです。

時々、シェフから要望を聞き取りしたり、システムの入れ替え等で神戸へ赴きはしますが、延々に出来上がらない。

まぁ、”時間が出来たらやる”とうスタイルなので、メインの仕事が忙しくなると、開発が中断されます。
そして、”やらない”と言う習慣が付くと、、メインの仕事が暇になっても、開発をしない。

結果、進まない。

私も、時々は進捗状況を聞いたりしますが、開発にはノータッチ。
何も言わなければどうなるか?

…どうもなりません。
変更や修正でちょこちょことレストランに顔は出すものの、いつまでたってもプロトタイプ(試作品)。

一向に、出来上がらないのです。

シェフに開発をお願いして、もう10年超え。
未だプロトタイプです。

長い付き合いなので、シェフももう、冬彦さんの事を理解しています。
プロトタイプなシステムを、使い続けてくれています。

本当に、申し訳ございません。

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