誤解のないように言っておくと、冬彦さんは、無職が平気な人ではありません。
まじめな人です。
なので、仕事があれば、淡々と働いてくれます。
淡々なので、もっと、もっとの、欲はありません。
一応、私が、やいのやいの言うので、「在宅で出来る仕事はないですか?」の打診を、付き合いのある営業さんにはしていました。
問題は、出向し、打診すれば、「なすべき事をしている」となってしまうことなんですよね…。
会社員の時は、
「『結果だけでなく、努力を見てほしい』って言うのは、好きではない。」
と言っていたんですけどね。
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カッサン、在宅の仕事を受注
フリーになって2年ちょいして、私には、がっつりと在宅で仕事をする機会に恵まれました。
元々出不精で、家に籠る事は苦にならないタイプでしたし、最寄り駅に出るまでにバスに30分揺られる生活は、便利な都会(?)育ちの私には苦痛でしたので、好都合でした。
同時期に、受診した人間ドックで、冬彦さんが血圧と血糖値が高めと判断されたので、お弁当を作るようになりました。
朝が苦手なので、作れない時もありましたが、出来る限り。
だって、
血圧・血糖値の数値が高いのは、今までコンビニおにぎりでお昼を済ませていた人間が、出向先の付き合いで、外食するようになり、高カロリーで味の濃いものばかりを食べていたから。一時的なもの。
と、冬彦さんが自己分析していたから。
眠そうにしていたり、時間ギリギリで慌てて作っていると、
「無理して作らなくていいよ。」
と声はかかりますが、「作らなくていいよ」と言われたからって、作るのをやめていい問題でもありません。
…と、話はそれましたが、在宅で受けた仕事は、納期から考えると、1人分を超えていました。
>>解説 開始>> スルーOK
6人月のお仕事をいただいた場合を例にすると…。
1人月=1人が1か月働くと終了するお仕事量
納期が6か月だと、6人月÷6か月で、ひと月当りの仕事量は、1人月となります。1人でこなせる仕事量です。
納期が2か月だと、6人月÷2か月で、ひと月当りの仕事量は、3人月。これは、1人では納期に間に合いません。3人の人出が必要となります。
<<開設 終了<<
まぁ、期日までにサバけると思いましたが、冬彦さんを巻き込めば、確実です。
冬彦さんも、Wワークの片方を探す手間が省けるのです。
ベタな悶々からの、口論
仕事が始まり、
「××に資料入れておいたから、読んでおいて。」
と、指示。
「了解」
と、冬彦さん。
ですが、3日たっても、冬彦さんからはアクションなしです。
「読んだよ?で、どこを担当しようか?」
とか、カッサンは期待していました。
ちょっとしたことなら、指示するより、自分でやった方が早いんですよね。
なので、受け身で来られると、とてもめんどくさい。
話すのも手間だし、もうちょっと様子見よう…。
仕事の指示を出してから1週間後のある日、私は悶々としていました。
年下男子とスピード結婚した友人から、妊娠中だと報告を受けたのです。
しかも、良い土地があったから、義実家の援助で家を建設中だと。
旦那様は、6歳年下。収入は少ないので、結婚しても2年は働いて支えると言っていた友人が、結婚後半年ほどで…。
卑しくて小さい人間なので、私は悶々としました。
激しくうらやましい!!!
年上・子なし・資産価値の少ない前妻さんが住んでいたことのあるマンション…真逆。
そんなこんなで、出向から帰宅した冬彦さんに、問いかけました。穏やかではあれど、この先、一波乱ありそうな威圧感で。
「仕事、自分からは動かないの?」
と。
”悪くない自分が責められる”という状況が大嫌いな冬彦さんも、戦闘態勢。
「俺に動いてほしければ、ちゃんとした形で、指示しないとダメなんじゃないの?」
と。
確かに、私がプロジェクトを任され、下の者を使う訓練をしている組織の人間であれば、上司から、そう言われても、仕方ありません。
でも、違います。専業主婦で子育てする予定で、一時的に家計を助けている、年下妻なのです。
「その手順いる?まだ会社にいた頃、『1~3まで話したら、10まで終わらせてくれる頭のいい部下が好き。』って話してたよね?自分はどうなの?私は、今現在、組織にいるわけでもないし、上に立てる人間に育ててもらおうなんて、思ってないよ。仕事の資料は渡しているし、目を通したなら、そのタイミングで声を掛けるべきなんじゃないの?」
と、応戦します。
恐ろしい。一言いえば、5倍返しです。
そして、さらに続けます(苦笑)
「それに、なぜ”手伝う”って感覚なの?稼ぐのはあなたの仕事でしょ?私が、あなたを手伝っているんだよ?私は、いつまで2足のわらじなの?家事して、お弁当作って、仕事して。」
と。
さぁ、いつもの冬彦さんなら、フリーズですよね?
でも、違います。なぜなら、自分は正しいと思っているから。
いつもの、だんまり冬彦は、どこへやらで、
「無理して作らなくても良いよっていつも声かけてるっ!そっちが勝手に弁当作ってるだけ!!」
?、??、???
そ、そっち?勝手に?つーか、主題は弁当だっけ?
と、珍しく思考が遅延したものの、気を取り直し
「私が捨てたいのは、仕事の方で、家事じゃない!むしろ、家庭の事に専念したいって、ずっと話してるでしょっ!!誰が、仕事に専念したいって、言ったの?!(怒)」
そこで、”自分が120%正しい状況”ではないと悟った冬彦さんは、ごめんモードで、いつものだんまりになりました、とさ。
新たな一面
もともと、冬彦さんがイラちである事は、知っていました。
でも、私に対して見せることは、あまりありませんでした。
他人に対してイラっとした態度を取ることはしばしばで、「もうちょっと穏やかに」とよく注意勧告していました。
そして、注意したら、素直にひくし、イラっとする内容自体は理解出来る事がほとんどだったので、歳とともに薄れていくだろうと問題視していませんでした。
敵を相手にするようなオーラを身にまとい、ちょっとズレた事を、声を荒げて言ってきた冬彦さん。
年上の男とは思えない原動に、怒りよりも、不安と寂しさが募るカッサンでした。
どうか、たまたまの出来事でありますように。
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